ポラリトン
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ポラリトン (Polariton) は、分極と電磁波の混成波である。より厳密には、光学フォノンやプラズモン、励起子などの準粒子とフォトンの量子力学的重ね合わせによって生成される準粒子のことである[1]。
理論上、光などの電磁波は、真空中では何の干渉も受けない純粋な電磁波として、光速度で自由に伝播できると仮想されている。しかし、現実には完全な真空と言える空間は存在しないため、光などの電磁波は常に物質と電磁的な相互作用を及ぼしあって、半分は光の波、半分は物質の波と言える、自由に伝播できない状態になりながら伝わっている。この状態のエネルギーの伝播は粒子性を示すため、概念上考えられる、半分は光で半分は物質という混合状態の準粒子が、ポラリトンである。
自由を奪われているため、ポラリトンは光速度未満の速度でしか伝播されない。光速度一定の概念は理論上仮想されているものにすぎず、現実の宇宙空間は完全な真空ではないため、そのような純粋な電磁波の伝播は起こり得ない。物理的に検出可能な光などの電磁波は必ず物質との相互作用を伴うため、ポラリトンの状態になっていない純粋なフォトン(光の粒子)は仮想の存在にすぎず、直接観測することは事実上不可能である。[要出典]