糸のこ盤
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糸のこ盤(いとのこばん、英: scroll saw)とは、手鋸(手で持って扱う鋸)である糸鋸を、機械化したものである。材料を置くテーブルを傾けて、傾斜切りも出来る。表記としては糸鋸盤や糸ノコ盤もある。JISB0114 木材加工機械-用語[1]では、名称「糸のこ盤」、慣用語は「ミシンのこ」となっている。「ミシンのこ」と呼ばれるのは、初期の糸のこ盤が足踏み式であったことによる。
木工が主要な用途なので、基本的には木工機械に分類されているが、実際には他の素材用のブレードも販売されており、それに換えることにより、木材だけでなく薄い鉄板やプラスチックも切断出来る。複雑な曲線を切ったり、切り抜き文字や透かし模様の精密なクラフトをする場合に糸のこ盤は最適である。糸ノコに比べ糸ノコの弓からノコ刃までの距離を「ふところ」というが、卓上電動工具である糸のこ盤は、太い腕状のアームで支えているので「ふところ」が手動工具の糸鋸に比べ大きく取れる。一般的に40センチメートルであるが、30センチメートルから60センチメートルの製品がある。ストローク数は、300回/分から1700回/分であり、切屑を飛ばす送風ブロアー・ノコ刃の速度調節機能が付いている製品が多い[2]。