アンブローズ・ビアス
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アンブローズ・グウィネット・ビアス(Ambrose Gwinnett Bierce, 1842年6月24日 - 1913年12月26日以降消息不明[1])は、アメリカ合衆国の軍人、作家、ジャーナリスト、コラムニストである。南北戦争が始まると、ビアスは北軍に志願し、戦場を駆け巡った。除隊後、雑誌の編集者、新聞論説委員、ジャーナリストとして活動し、記事を寄稿し、本を出版した。
アンブローズ・グウィネット・ビアス | |
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アンブローズ・ビアス(1892年撮影) | |
誕生 |
Ambrose Gwinnett Bierce |
失踪 | 1913年12月26日以降消息不明[1] |
職業 |
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言語 | 英語 |
国籍 | アメリカ |
ジャンル |
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文学活動 | 写実主義文学(英語版) |
代表作 | 悪魔の辞典 |
配偶者 | メアリー・エレン・"モリー"・デイ(1871年 - 1904年) |
署名 | |
兵役経験 | |
所属組織 | アメリカ合衆国(北軍) |
軍歴 | 1861年 - 1866年 |
最終階級 | 中尉 |
部隊 | 第九インディアナ歩兵連隊部隊 |
戦闘 | アメリカ南北戦争 |
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アメリカ独立200周年記念管理局は、ビアスによる著書『悪魔の辞典』(The Devil's Dictionary)について、「アメリカ文学における最高傑作の一つ」に選んだ[2]。短編『アウル・クリーク橋での出来事(英語版)』は、「アメリカ文学においてもっとも著名な作品であり、何度となく選集化されている物語である」と評された[3]。グローリア同好会(英語版)は、ビアスの著書『Tales of Soldiers and Civilians』(『兵士と民間人の物語』、この著書は『In the Midst of Life』の題名で出版された)について、1900年以前のアメリカで印刷された本の中で、極めて影響力のある100冊のうちの一冊」に選んだ[4]
多芸多才であり、多作の作家でもあったビアスは、アメリカ合衆国における極めて影響力あるジャーナリストの一人として高く評価されており[5][6]、写実主義文学(英語版)の草分け的存在と見做されている[7]。文芸批評家のマイケル・ディルダ(英語版)は、ビアスの書いた恐怖小説について、エドガー・アラン・ポー(Edgar Allan Poe)やハワード・フィリップス・ラヴクラフト(Howard Phillips Lovecraft)と並ぶ存在である、と位置付けている[8]。文芸評論家のS・T・ヨシ(S.T. Joshi)は、ビアスについて「アメリカが生んだ最も卓越した風刺作家であり、ユウェナリス、ジョナサン・スウィフト(Jonathan Swift)、ヴォルテール(Voltaire)に取って代わる存在となる可能性がある」と考えている[9]。ビアスの書いた戦争文学は、スティーヴン・クレイン(Stephen Crane)やアーネスト・ヘミングウェイ(Ernest Hemingway)にも影響を与えた[10]。ビアスは有力で畏怖される文芸批評家の一人と見做されている[11]。彼が残した詩も重要な作品と考えられており、寓話作家としても敬意を集めつつある[12][13]。
1913年、ビアスは革命の真っ只中であったメキシコを取材するため、現地へ赴く趣旨を記者団に告げた[14]。1913年12月26日、ビアスは友人に宛てた手紙を残したのち、跡形もなく姿を消し、二度と姿を見せることはなかった。