プリズマン
ウィキペディア フリーな encyclopedia
この項目では、炭化水素について説明しています。漫画・アニメ『キン肉マン』に登場するキャラクターについては「プリズマン (キン肉マン)」をご覧ください。 |
プリズマン(prismane)は、化学式C6H6の多環式炭化水素の一つである。ベンゼンの異性体、具体的には結合異性体である。プリズマンはベンゼンと比べてかなり不安定である。プリズマン分子の炭素(および水素)原子は、6原子三角柱の形に配置されている。 これは、プリズマン類の中で最も単純な化合物である。アルベルト・ラーデンブルクは現在ベンゼンとして知られている化合物についてこの構造を提唱した[1]。このためトリプリズマンは「ラーデンブルクベンゼン」と呼ばれることもある。実際にプリズマンが合成されたのは1973年である[2]。
概要 プリズマン, 識別情報 ...
プリズマン | |
---|---|
テトラシクロ[2.2.0.02,6.03,5]ヘキサン | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 650-42-0 |
日化辞番号 | J55.651C |
| |
特性 | |
化学式 | C6H6 |
モル質量 | 78.1134 g/mol |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
閉じる
角柱 (prism) の頂点に炭素原子を配した炭化水素をプリズマンと総称する(プリズマン類)。三角柱(トリプリズマン)、四角柱(キュバン)、五角柱(ペンタプリズマン)の3種がこれまでに合成されている。ただし、単に「プリズマン」と言ったときには本項で解説する三角柱型のものを指すことが多い。ペンタプリズマンは四角形の面を下にして置いたときに家の形に見えるため、「ハウサン」(housane)とも呼ばれたが、現在これは別の化合物の名前として用いられている。1981年、キュバンの合成を達成したフィリップ・イートンによって合成された。