利用者:Satltsdw/ペンローズ・タイリング
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ペンローズ・タイルとは、イギリスの物理学者ロジャー・ペンローズが考案し1970年代に研究した平面充填形である。ペンローズ・タイリング、つまりペンローズ・タイルによるタイリング(タイル張り)は非周期タイリングの一例である。ここで、タイリングとは、多角形あるいは別の形状を重ならないように用いて、平面を覆うことであり平面充填ともいう。正多角形を利用したタイリングの場合、周期的なパターンが現れるが、ペンローズ・タイルを利用すると周期的なパターンでタイリングすることができず、非周期的な並べ方が強制される。タイリングが非周期的であるとは、そのタイリングが任意の大きさの周期領域を持たないことを言う。ペンローズ・タイリングは並進対称性を持たないが、鏡映対称性および5回回転対称性を持ちうる。
ペンローズ・タイリングにはいくつかの異なる種類があり、それぞれタイルの形が異なっている。元のペンローズ・タイリングでは4つの異なるタイルの形を用いてたが、その後2つ1組のタイルだけを用いるようになった:それは、2つの異なる菱形の組、あるいは2つの異なる四辺形であるカイト(凧)およびダート(矢)の組である。これらのタイルの接合に、周期タイリングを避けるような制限をかけることにより、ペンローズ・タイリングが得られる。この制限をかけるには、マッチング規則、代入タイリングあるいは有限細分化則、切断射影法、および被覆法などさまざまな異なる方法がある。どの制限のもとでの接合でも、無数の異なるペンローズ・タイリングを生成することができる。
ペンローズ・タイリングは自己相似的である。つまり、ペンローズ・タイリングは、インフレーションおよびデフレーションと呼ばれる操作を用いて、構成タイルの大きさが異なる等価なペンローズ・タイリングに変換できる。ペンローズ・タイリングに含まれる有限のパッチ(区域)で表されるパターンは全て、タイリング全体の中に無限回だけ出現する。ペンローズ・タイリングは準結晶である。つまり、ペンローズ・タイリングを物理的構造として作成すると、ブラッグ・ピークからなり5回対称性を持っていて、繰り返しパターンとタイルの方向を示す回折像を生ずる[1]。ペンローズ・タイリングの研究は、準結晶を形成する物理的材料を理解するために重要である[2]。ペンローズ・タイリングは建築や装飾にも用いられている(写真参照)。