吸血鬼ノスフェラトゥ
ムルナウ監督のドイツ映画 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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『吸血鬼ノスフェラトゥ』(きゅうけつきノスフェラトゥ、原題:Nosferatu – Eine Symphonie des Grauens)はF・W・ムルナウによる1922年に製作されたドイツ表現主義・サイレント映画。最初期の吸血鬼映画の1つであり、吸血鬼オルロック伯爵をマックス・シュレック(英語版)が演じた。原題のサブタイトルに従って『吸血鬼ノスフェラトゥ 恐怖の交響曲』という日本語タイトルで紹介されることもあり、またノスフェラートゥなどカナ表記の揺れもある[2]。
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吸血鬼ノスフェラトゥ | |
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Nosferatu – Eine Symphonie des Grauens | |
撮影地の一つであるヴィスマールにある『吸血鬼ノスフェラトゥ』の記念プレート | |
監督 | F・W・ムルナウ |
脚本 | ヘンリック・ガレーン(英語版) |
原作 | ブラム・ストーカー[1] |
製作 |
エンリコ・ディークマン アルビン・グラウ(英語版) |
出演者 |
マックス・シュレック(英語版) グスタフ・フォン・ヴァンゲンハイム(英語版) グレタ・シュレーダー アレクサンダー・グラナック |
音楽 | ハンス・エルトマン(ドイツ語版) |
撮影 |
F・A・ヴァグナー(英語版) ギュンター・クランフ[1] |
公開 | 1922年3月4日 |
上映時間 | 94分(オリジナル) |
製作国 | ドイツ |
言語 | ドイツ語(字幕) |
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本作は1897年に出版されたブラム・ストーカーの怪奇小説『吸血鬼ドラキュラ』を非公式に映画化したものである。ドラキュラ伯爵がオルロック伯爵に改名されるなど、原作からの変更点がある。これらは著作権侵害の非難を避けるためだと長らく言われてきたが、オリジナルのドイツ語のインタータイトルには、本作がストーカーの作品を原作にしていることが明記されており、この説は弱い。映画史家のデビッド・カラットは本作の解説において、この説をそれを裏付ける資料は無いと否定しており、むしろ、「ドイツ人がドイツ人の観客のために製作した低予算映画であり(中略)ドイツを舞台に、ドイツ語の名前を与え、ドイツ語圏の観客が物語をより身近に感じられるようにしたものだろう」と述べている。
いくつかのディテールが変更されたにもかかわらず、ストーカーの相続人はこの映画化について訴訟を起こし、裁判所は、映画のすべてのネガとプリントを破棄するよう命じた。しかし、本作のプリントはわずかに残り、後世に影響を与えたと傑作とみなされるようになっている。1978年にはヴェルナー・ヘルツォークの脚本・監督によるリメイク版『ノスフェラトゥ』が制作されている。また、本作をベースに「主演のマックス・シュレック(英語版)は本当に吸血鬼だった」とする『シャドウ・オブ・ヴァンパイア』が制作された。
2012年現在、吸血鬼や不死者の意として使用されている "Nosferatu" という言葉の語源は、 "nosfur-atu" という古代スロヴァキアの言葉であり、それ自体もギリシャ語で「病気を含んだ」を意味する "νοσοφορος" が由来である。西ヨーロッパの人々に、吸血鬼は病気を運んでくるものと見なされていた。