植物の進化
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本項では、植物の進化(しょくぶつのしんか)について述べる。植物は進化段階ごとに、複雑さを増大させていった。藻被(algal mat)から始まって、陸上植物、維管束植物、真葉植物を経て、現代の複雑な種子植物に至る。単純な段階の植物が繁栄している間にも、さらにはそれらが進化し続けている環境でも、最終的には新しい段階の植物が、前の段階よりもいろいろな点において「成功」することになる。また、ある時点で最も複雑な植物の中から「より複雑な」植物が現れるということを、多くの分岐学的研究が示している。
地質的な証拠によると、12億年前の地上には藻類膜(algal scum)が形成されていた。しかし約4億5000万年前のオルドビス紀になるまで、いわゆる陸上植物は現れなかった[1]。それらは約4億2000万年前の後期シルル紀になって多様化し、その成果は前期デボン紀のラーゲルシュテッテンであるライニーチャートから見ることができる。このチャートは、鉱泉による珪化作用によって、初期植物を細胞段階までよく保存している。中期デボン紀までには、現生の植物にある部分の多くが現れる。根、葉、二次木部など。またデボン紀後期には種子が現れた[2]。 それらにより、後期デボン紀の植物は、巨木の森を形成できる段階まで高度なものになっていた。デボン紀以降にも進化は続いた。ペルム紀末期の大量絶滅で、多少の構造的変化はあったものの、ほとんどのグループが比較的生き残った。そして約2億年前の三畳紀に、花が出現し、それは白亜紀と古第三紀を通じて大発展した。最も新しく登場した大きなグループはイネ科の草で、およそ4000万年前の古第三紀始新世から重要な存在になってきた。イネ科の草は、新しい代謝の方法を開発することにより、低い二酸化炭素濃度や、熱帯の温暖で乾燥した気候に1000万年前から適応してきた。