1960年代の香港(1960ねんだいのほんこん)では、過去10年間に引き続いて中継貿易からの転換と、アパレル産業とプラスチック産業を中心とした、製造業の成長と拡大がみられた。この時期の経済的成長は、香港をシンガポール・韓国・台湾と並んで「アジア四小龍」と言わしめた。他方、政治面においては、騒乱や天災、ストライキが相次いで起こった時代であった。これらの混乱は、香港政庁に対して内政面での抜本的な施策を迫ることとなった。文化面においては、華人社会における家族構造の変化や、武侠映画とポップカルチャーの盛り上がりが見られた。