口承文芸 (アイヌ)
アイヌの口承によって営まれてきた文学 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
本記事ではアイヌの口承文芸(こうしょうぶんげい)について記述する。
この項目には、JIS X 0213:2004 で規定されている文字が含まれています(詳細)。
近世以前にアイヌ語には文字が無かったためアイヌの文学は口承によって営まれてきた。その中でも物語性をもつジャンルは口承文芸と呼ばれる。口承文芸はアイヌ文学の代表例であり、一般にアイヌ文学と言う場合には口承文芸を指すことが多い。口承文芸は口演の形態や内容により、神謡・英雄叙事詩・散文説話の3つに分類されている[1][2]。
アイヌの口承文芸が研究され始めたころ、文学は口承文芸から文字文学へ発展すると考えられていた。それゆえ、アイヌの口承文芸は低く見られる事もあったが、これは正しい理解ではない[3]。アイヌの口承文芸は、長い歴史の中で独自の発展・変容を遂げたものでその内容は長大で雄大であり、長いものでは口演時間が数時間にもおよぶ[3][4][1]。