カレッジフットボール
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カレッジフットボール(英語: college football)は、アメリカ合衆国の大学が参加して行われるアメリカンフットボールの大会をいう。プロリーグであるNFLと並んでテレビなどでの放映が行われ、アメリカにおけるフットボール人気の一つの柱となるスポーツ大会である。アメリカ国内ではMLBやNBAと並ぶ、若しくはそれらを上回る人気を誇り、特に北米4大プロスポーツリーグのチームがない州や都市では、スポーツに対する最大の関心事のひとつになっている。
毎年9月初めごろに開幕するシーズンでは毎週末に試合が行われる。12月初旬までにレギュラーシーズンが終了し、11月末から翌年の年始にかけてボウル・ゲームおよびトーナメント大会が繰り広げられる。
全米大学体育協会(NCAA)加盟校は、多くの場合地域ごとのカンファレンスに所属して活動する(無所属の場合、独立校と呼ばれる)。そのカンファレンスはI部からIII部のディビジョンに加入しており、更にI部では最上位に位置するI部FBSと下位のI部FCSに細分化される。
NCAAは各ディビジョンの全国チャンピオンを決める大会を主催するが、唯一I部FBSに限っては主催しない。しかしNCAA発足以前より、事実上のチャンピオンを決める制度は存在する。
1888年にイェール大学にコーチが就任し全米チャンピオンに輝いて以降、現在に至るカンファレンス・ランキング制度が整い始める。1888年以降のチャンピオン最多回数はアラバマ大学の17回である。以下、ノートルダム大13回、プリンストン大12回、ミシガン大11回、USC10回、ピッツバーグ大9回、オハイオ州立大8回、ハーバード大・オクラホマ大7回、ペンシルバニア大・ミネソタ大6回と続く(プリンストン大とペンシルベニア大は、ともにスポーツ推薦制度のないアイビー・リーグの所属であり、全米チャンピオンになったのは、他カンファレンスの大学がそれほど強くなかった時代である)。
アメリカ国内では非常に人気の高いスポーツコンテンツである。ギャラップが2012年12月に行った世論調査によると、回答者の49%がカレッジフットボールのファンだと答えており、48%のプロ野球、33%のプロバスケットボール、22%のプロアイスホッケーなどを上回った[1]。
カレッジフットボールの観客動員力は非常に高く、2012年シーズンでは1試合平均観客動員数が10万人を超える大学が4校、8万人を超える大学が17校、4万人を超える大学が60校であった[2]。王座決定戦であるBCSナショナル・チャンピオンシップ・ゲームの視聴率も非常に高く、2013年のゲームでは17.5%であった[3]。これは2012年のワールドシリーズの平均視聴率(7.6%)の2倍以上であり、NFLやオリンピックを除いた場合、スポーツイベントとして年間最高視聴率であることが多い。
経済規模も非常に大きく、2010年時点での主要カンファレンスの総収入は約22億ドル、利益は約11億ドルである[4]。特に利益ではメジャーリーグなどを上回っている[5]。米ケーブルスポーツ専門局のESPNが結んだプレーオフ放映契約は12年間で総額73億ドル(約8700億円)[6]。