キリストの洗礼 (エル・グレコ、トレド)
ウィキペディア フリーな encyclopedia
『キリストの洗礼』(キリストのせんれい、西: Bautismo de Cristo、英: Baptism of Christ)は、クレタ島出身のマニエリスム期スペインの巨匠エル・グレコが晩年の1608–1614年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。「マタイによる福音書」 (3章:13-17) にある「キリストの洗礼」を主題としており、洗礼者ヨハネが跪いているイエス・キリストの頭上に貝殻から水をかけている場面が描かれている。画面上部には父なる神と聖霊のハトが描かれ、「三位一体」を形成している。1608年にエル・グレコと息子のホルヘ・マヌエル・テオトコプリは、トレドのタベーラ施療院の管理者ペドロ・サラサール・デ・メンドーサ(スペイン語版)と同施療院礼拝堂用の祭壇画制作に関する契約を結んだ[1]。エル・グレコの常として制作は遅れ、1614年の画家の死に際し、作品は未完成であったためホルヘ・マヌエルが完成させた[1][2][3]。作品は、現在もタベーラ施療院に所蔵されている[1][2][3]。