ザポリージャ原子力発電所の危機
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ロシアのウクライナ侵攻中、ザポリージャ原子力発電所は現在進行中の原子力安全危機の中心地となっており、ウクライナはロシアによる核テロ行為と説明している[1]。
原子力発電所としては欧州最大のザポリージャ原発では、砲撃による原発のインフラの破壊や送電線の損傷などが起きており、ウクライナのゼレンスキー大統領はザポリージャ原発の状況は史上最も困難だと呼び、欧州最大の原子力発電所による潜在的な脅威は、福島やチェルノブイリの災害規模の10倍になる可能性があると強調した[2][3]。
国際原子力機関(IAEA)は、「ウクライナの状況は前例のないものだ」と警告し、報告書の中で「確立された大規模な原子力計画の施設内で軍事衝突が起こったのは初めてだ」述べた[4]。原子力安全専門家のアッティラ・アゾディは、チェルノブイリ原発事故と同様のタイプと規模の事故はザポリージャ原発では技術的・物理的に不可能であると述べる一方、原発の安全性を確保するための緊急措置を求めた[5]。ベローナ財団は、この危機を「世界の原子力エネルギーコミュニティが遭遇すると考えた事すらなく、そのため、これまで備えてこなかった事態」と呼んだ[6]。