大鴉
エドガー・アラン・ポーの物語詩 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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『大鴉』(おおがらす、The Raven)は、アメリカ合衆国の作家エドガー・アラン・ポーが1845年1月29日に発表した物語詩。その音楽性、様式化された言葉、超自然的な雰囲気で名高い。心乱れる主人公(語り手)の元に、人間の言葉を喋る大鴉が謎めいた訪問をし、主人公はひたひたと狂気に陥っていくという筋である。学生であろうと指摘されることの多い主人公は[1][2]、恋人レノーアを失って嘆き悲しんでいる。大鴉はパラス(アテーナー)の胸像の上に止まり、「Nevermore(二度とない)」という言葉を繰り返し、主人公の悲嘆をさらに募らせる。詩の中の至るところに、ポーは伝承や様々な古典の隠喩を行っている。
大鴉 The Raven | |
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作者 | エドガー・アラン・ポー |
国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
ジャンル | 物語詩 |
発表形態 | 雑誌掲載 |
初出情報 | |
初出 | 『イブニング・ミラー』1845年1月29日 |
刊本情報 | |
収録 | 『The Poetical Works of Edgar Allan Poe: With Original Memoir』 |
出版元 | Sampson Low(ロンドン) |
出版年月日 | 1858年 |
挿絵 | ジョン・テニエル |
日本語訳 | |
訳者 | 佐藤一英 |
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ポーは『大鴉』は極めて論理的かつ整然と書かれたものだと述べている。翌1846年に発表したエッセイ『構成の原理』(en:The Philosophy of Composition)の中で、ポーは、批評家、一般読者両方の嗜好に訴えることのできる詩を作ることを意図したと解説した。この詩はチャールズ・ディケンズの小説『バーナビー・ラッジ』に出てくる人間の言葉を喋る大鴉に一部着想を与えられたのではないかと言われている[3]。その複雑な韻律(rhythm 及び meter)は、エリザベス・バレット・ブラウニングの詩『Lady Geraldine's Courtship』から借用したものである。
「イブニング・ミラー」紙(en:New York Mirror)に掲載された『大鴉』のため、ポーはまたたくまに有名になった。『大鴉』はすぐに各紙に再掲載され、挿絵もつき、パロディも生まれた。その価値については異議を唱える批評家もいるものの、これまで書かれた有名な詩の1つであることに変わりはない[4]。