海軍総監 (ドイツ帝国)
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この項目では、ドイツ帝国海軍における役職について説明しています。現在のドイツ海軍総監については「海軍総監 (ドイツ)」をご覧ください。 |
海軍総監 (Generalinspekteur der Marine) は、かつてドイツ帝国海軍に存在した監察職である。海軍監察長官とも。1871年に帝国海軍本部(ドイツ語版)と同時に設立され、1919年まで存在した。
初代総監はアーダルベルト・プロイセン王子であった。彼は皇帝からの命令に従い、皇帝の代理として「海軍及び艦隊の様々な部署に対して発令された規則が組織的及び実効的に施行されているか、またどの程度まで監督されているかを確認する」ために、海軍全般にわたって管理検査を実施する義務を負った[1]。アーダルベルト王子は帝国海軍創設前のプロイセン海軍(ドイツ語版)及び北ドイツ連邦海軍(ドイツ語版)において既にこの役職を務めており、1873年6月6日に亡くなるまで在職した。彼の死後、総監は空席となった。
1899年、帝国海軍本部の後継組織である海軍最高司令部(ドイツ語版)が廃止され、ヴィルヘルム2世自らが海軍参謀本部(ドイツ語版)を通じて最高指揮権を握ると、再び最高級指揮官[2]としての総監が置かれた。ハンス・フォン・ケースター(英語版)大将が1899年3月14日から1906年12月29日まで務めたが、彼の退役後再び空席となった。
1909年、ハインリッヒ・プロイセン王子が総監職につき、1918年8月18日まで務めた。
ドイツ帝国が崩壊し、帝国海軍がドイツ国海軍を挟んで国防軍海軍となったのちの1943年、エーリッヒ・レーダー元帥が海軍総司令官辞任(英語版)後に海軍監察総監 (Admiralinspekteurs) に任命されたが、これは帝国時代とは違い、実権のない名誉職に過ぎなかった。
戦後の連邦海軍、現在のドイツ海軍にも海軍総監(ドイツ語: Inspekteur der Marine、略称:InspM)という役職があるが、こちらは対照的に海軍の最高位の士官である海軍部門の長である。