荊冠のキリスト (ティツィアーノ、ルーヴル美術館)
ティツィアーノ・ヴェチェッリオによる絵画。油彩。1542頃。 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
『荊冠のキリスト』(けいかんのキリスト、仏: Le Couronnement d'épines、英: The Crowning with Thorns)は、イタリア・ルネサンスのヴェネツィア派の巨匠ティツィアーノ・ヴェチェッリオが1542年から1543年の間にポプラ板上に油彩で制作した絵画である。イエス・キリストの足元に「TITIANVS F」と署名されている。絵画は、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会 (ミラノ) のサンタ・コローナ礼拝堂のために同教会の同心会により委嘱された[1][2][3]。主題は、『新約聖書』中の「マタイによる福音書」(27章29-30) から採られており、十字架を背負う前のイエス・キリストが古代ローマの兵士たちから荊 (いばら) の冠を被せら愚弄される場面が描かれている[2][3]。ナポレオン戦争中の1797年に略奪され、フランスに持ち去られ、現在はパリのルーヴル美術館に所蔵されている[1][2][3]。