内皮 (植物)
維管束植物の皮層の最内層にある組織 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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内皮 (ないひ、endodermis) は維管束植物の皮層の最内層にあり、維管束群を取り囲む1層の細胞から成る組織である。内皮より内側の維管束を含む部分は、中心柱とよばれる。内皮は細胞が密着して形成された円筒であり、内皮細胞どうしが接する細胞壁にはスベリンなどの疎水性物質が沈着してカスパリー線が形成されており、アポプラスト (細胞壁など原形質外の空間) を通した物質透過を抑制している。古くなった内皮では、細胞壁全体が肥厚し、カスパリー線は不明瞭になる (図1)。
シダ植物 (広義) では、ふつう根や茎、葉の維管束系を取り囲む明瞭な内皮が存在する[1][2]。一方、種子植物では、根には内皮が存在するが、茎や葉には明瞭な内皮は見られないことが多い[1][2]。
内皮は、維管束に出入りする水やイオン、植物ホルモンなどの移動を調節するとともに、不要な物質の維管束への侵入を阻止する。また、細胞中のアミロプラストの沈降を通して重力感知に関与することも示唆されている。